もっと炎を。

投資や節約についての備忘録です

米国株ETFについて

 最近、何か良い米国株のETFがないか探しています。現在、米国株は個別株として購入保有していますが、EFTにシフトしていく予定です。

 

1 米国個別株の購入保有の問題点

 今後、米国個別株を購入保有しない理由は、大きく分けて2つ、1つは「管理の手間がかかること」、もう1つは「情報を得にくいこと」です。
 1つ目の「管理の手間」は、主に税金に関してですね。米国株から得られる配当は、米国現地で10%課税され、日本国内で約20%課税されてしまいます。この時、外国税額控除制度を用いることで、確定申告によって現地課税分を取り戻すことができますが、ひと手間かかります。ついでに言えば、そんなに大きな額でもないので関係はないでしょうが、限度額もありますし。さらに厄介なのがコーポレートアクション(買収、合併、スピンオフ)、米国では結構頻繁にあるようで、私の保有株も何度か遭遇しました。これの問題点は、特定口座内で処理できない(一般口座扱いになる)可能性があることです(証券会社にもよる)。
 もう1つの「情報を得にくい」については、詳細な情報を得たければ英語で取得しなければならないことです。人によっては大したデメリットではないかもしれませんが、私にとってはかなり大きなデメリットです。日本株であれば(東証上場企業であれば)日本語での資料が企業のサイトで公開されていますが、米国企業の情報を同等量、同じスピードで得るのは不可能です。上述のコーポレートアクションにしても、公表されてすぐに気付けば問題はないけど、随分後になって知って手の打ちようがない、なんてこともありますしね。

2 最適解は投資信託、でも…

 上述した問題点、投資信託(インデックスファンド)を買うだけで簡単に回避することができます。代表的な例を挙げれば、「eMAXIS Slim 米国株式」でしょうか。無配のインデックスファンドなので(ファンド内で自動的に再投資されるので)、配当課税も無ければ(但し、現地配当課税はある)、インデックスファンドゆえ情報を得る必要もありません。今現在では、投資信託(インデックスファンド)を購入するのが最適解ですね。
 投信信託(インデックスファンド)が最適解なのは分かっています。淡々とインデックスファンドを積み立てて行くのが良いんでしょう。でも、それが分かっていながら、私は敢えて投資信託にはしないでしょう。なぜなら配当がないとモチベーションが上がらないから。我ながら何とも微妙な理由だとは思いますが、配当の有無で投資熱が変わるのだから仕方ありません。投資しないより投資した方が良いと言う前提に立つならば、モチベーションは大事です。

 

3 ならETFにしよう

 個別株を避けた上で配当が欲しいなら、ETFしかありません。
 ここで配当に対する課税に関しては、海外ETFを買うか、東証上場ETFを買うかで配当に対する課税処理が異なります。海外ETFであれば個別株(外国株)の購入と同じく2重課税されてしまうので、外国税額控除制度を用いる必要があり、手間は個別株と変わりません。対して、東証上場ETFで海外の株を購入する場合は、二重課税調整が自動的に行われるため手間が大きく減ります。なお、NISA口座(非課税口座)であれば、日本での課税がないので、海外ETFでも東証上場ETFでも同じ10%の課税になります(手間は変わりません)。
 と言う前提で、いくつか良さそうなのを拾ってみます。基本は指数連動のVTI、VOO、1655、2558、2633あたり。少し捻って2630(ヘッジあり)、さらに捻ってVYM(高配当株)、VIG(増配株)、VTV(割安株)、VDC(生活必需品)あたりが選択しになるでしょうか。なお、海外ETFは、面倒なのでバンガードのみ記載、他にもブラックロックやステートストリートなどにも似たようなETFはありますが、どれを選んでも大差はないでしょう。

 

4 基本は指数連動

 基本は、VTI、VOO、1655、2558、2633のどれかでしょう(為替ヘッジをかけたいなら2630)。NISA口座が前提なら、どれを選んでも大差はありません。特定口座ならば二重課税調整をしてくれる東証上場ETFの方が手間がなく良いですね。海外ETFだとドルを扱わなければならない手間(楽天証券以外は配当もドル一択)がある分、経費率が東証上場ETFより安く済みます。とは言え、昔と比べて東証上場ETFの経費率も下がってきた今、ドルで直接買い付ける意味はあまりないとも言えます。但し、為替ヘッジをかけたいなら2630の一択。今のように円安に振れている状態なら選択の余地ありですね。

 

5 捻った選択肢

 捻った選択肢としては、VYM(高配当株)、VIG(増配株)、VTV(割安株)、VDC(生活必需品)あたりを考えています。いずれも配当利回りがVTIに比べ高いものの、短所もあります。

 

6 グロース株かバリュー株か

 VYMは、平均以上の配当を出す普通株で構成されるETFです。VIGは、10年以上増配している企業を選択した上で、配当上位25%を除いたETFです。VTIとの違いを考えると、VTIは無配のハイテク企業が取り入れられているため、グロース株(≒無配のハイテク企業)が多くバリュー株が少ないと読み替えることができます。但し、VIGはマイクロソフトのようなハイテク企業でも配当がある企業が入っていることや配当上位25%を取り除いていることからVTIに近いと言えるでしょう。
 それぞれの特徴の違いはトータルリターンに表れます。ここ最近、ここ10年ほどハイテク企業は急激な勢いで成長しました。いわゆるGAFAMを中心としたハイテク企業群の入っているVTIのトータルリターンは、VYMやVIGに比べて大きく伸びています。但し、それ以前のトータルリターンに大きな違いはありません、むしろトータルリターンがあまり変わらないにも関わらず、ボラティリティが低い(価格変動が少ない)と言った特徴がありました。
 これらのことから言えることは、今後もハイテク企業群が成長し続けると思うならばVTI(或いはQQQのようなハイテクグロースETF)を買えば良いし、いずれはグロース株の急成長は鈍化し、ありふれた株となってしまうなら、VYMにすれば良いと考えられます。要はどちらに賭けるかの違いでしかありません。但し、配当は課税によってトータルリターンを押し下げる効果があることだけは間違いないので、その点には注意が必要でしょう。
 ちなみにVTVと言う大型バリュー株に投資するETFもあり、一考の余地ありです。

 

7 VDC

 少し毛色の違うETFとして、生活必需品に投資するVDCも考えています。ここ最近はふるいませんが、生活必需品のセクターは長期的にみると手堅い成長(とトータルリターン)のセクターでした。構成銘柄は、P&Gを筆頭に、ペプシコ、コカコーラ、ウォルマートフィリップモリス、アルトリアグループと言った、現時点で私が保有している個別株、あるいは今後購入しようと思っていた個別株が並んでいることから注目しています。

 

8 余談(貸株料

 貸株料を考えるとETFの経費を賄えるんじゃないかと思わないでもないですが、手間が増えるので貸株は考えていません。

9 まとめ

 特に結論らしい結論があるわけではないのですが、記事を書いていて思ったのは、私の趣向としてハイテク株にあまり期待していないようです。グロース株に賭けるか、バリュー株に賭けるかと問われれば、例え配当課税によりリターンが押し下げられるとわかっていてもバリュー株に賭けたくなるようです。今のところ「2630+VYM」、為替が円高に振れたら「VTI+VYM」と思っていますが、来年から始まる新NISAまでに決めておきたいところですね。