前回の続きです。株主優待の内容が良いため、最低単元であれやこれやと株を持っている家電量販店業界について、前回の続きです。ざざっと各企業の特徴について記載してみました。
1 ヤマダ(一言:業界首位)
売り上げ業界首位の国内最大の家電量販店、首位になってからもう20年ほど経過。ただし、2010年ごろには2兆円あった売り上げが、現在は1.6兆円ほどと2割も減少。2位集団M&Aなどを通じて売り上げを伸ばしている中、その差は縮まっていると言えます。
経営形態は、主には郊外型店舗が主力ですが、LABIと言う名前で都市型店舗もそれなりに有しています。また、近年EC部門の売り上げが急激に伸び約1500億円と、EC化の先行していたビックカメラと同等、ヨドバシカメラに次ぐ規模に成長しています。
EC部門の他に近年力を入れていそうなのが住宅関連(大塚家具やレオハウスを子会社化または吸収合併)。ただ、売り上げは全体の2割にも満たないため、あくまで現時点での主力は、実店舗の家電量販店と言えます。
業界首位なだけあり、家電に関して全方向に手を広げている感じがありますね。
2 ビックカメラ(一言:都市型だけど全国展開)
直近の決算では、一応2位集団の中ではトップ。とは言え、2位集団は団子状態なので、大きな差はないと言えますが。
ビックカメラ自体の経営形態は都市型店舗ですが、傘下のコジマが郊外型店舗であるため、都市型店舗、郊外型店舗どちらもある形になっています。
EC部門の売り上げは約1500億円と、ヤマダと同等、ヨドバシカメラに次ぐ規模。なお、売り上げがヤマダの半分程度であることを考えると、EC化率はヤマダの倍と言えます。
3 ケーズ(一言:実店舗重視&家電特化)
経営形態は、ほぼ郊外型店舗のみ。EC部門の売り上げ額を見つけられませんでしたが、力を入れているようにはみられません。また、特徴として、完全に家電に絞って販売しているようです。
ケーズは同業他社に比べ利益率が、(ノジマと並び)高いのが特徴です。利益率が低くなりそうなEC部門が小さい(EC化率が低い)ことと、品ぞろえを絞っていることに要因がありそうです。
4 ヨドバシカメラ(一言:EC化で他社に先行&非上場)
経営形態はビックカメラ以上に都市型店舗に注力している形。同業他社と比べた時、一番の違いははEC部門。ヨドバシカメラのEC部門は同業他社よりも先行しています(売り上げ:約2200億円)。いち消費者としてみても、ヨドバシカメラのオンラインショップは、品ぞろえこそ劣るものの、使いやすさで言えば、アマゾンや楽天よりも使いやすいと感じます。
非上場のため、詳しいデータは不明です。
5 エディオン(一言:最悪期は脱した)
正直、他に比べて特徴らしい特徴を見いだせないのがエディオン。
経営形態が郊外型店舗で、EC化率が低いのが特徴と言えば特徴。ただ、この2点はケーズと被りますね。ケーズとの違いは、ケーズは完全に家電に注力しているのに対して、エディオンは多少ですが他にも手を広げている点でしょうか。
6 ノジマ(一言:家電と携帯販売の両輪)
売り上げの4割が家電、4割がキャリアショップ運営、2割がその他と言う構成。このため連結の売り上げは約6000億円ありますが、家電部門だけで言えば、ジョーシンよりも低くなります。キャリアショップ運営は、2015年にITXを、2023年にコネクシオを買収したことで業界でもかなりの規模(ティーガイアに次ぐ2位)となっています。
ケーズと同様にノジマの家電部門は好調で他社よりも利益率がよさそう。ただ、キャリアショップ運営は、業界全体が苦しいのかノジマもイマイチ、とは言え、キャリアショップ運営が赤字というわけではありません。
7 ジョーシン(一言:関西のお店)
売り上げが2位集団の約半分の大手家電量販店。EC部門の売り上げが約750億円と他社に比べEC化が進んでいる様子。関西を中心とした出店で、北関東以北、中国地方以西には店舗がありません。
特徴は、他社に比べて玩具が強いイメージがあります(店舗:キッズランド)。どうしても家電部門は競争が激しく利益が取りにくいのに比べ、競争があまり激しくない玩具部門は、それなりに利益がだ出そうな部門ですね。